- プロローグ
- 3年で10倍の成長は「水平思考」で取り組めば可能です
- 喫緊課題は、陳腐化した過去の考え方との決別です
- 3年で10倍成長の時代が到来しています
- 学習は二種類あります 「ビジネスの学習」と「人生の学習」です
- 喜怒哀楽の「細部」が水平思考の萌芽に繋がり、人の意識を変えてくれます
- 自分は「1億2400万人の1」の存在であるという自覚が必要です
- 自分の光を放つ特性は、「得意業」(とくいわざ)として生涯生かすことができます
- ビジネスは、勝つか負けるかの世界ではありません
- ビジネスは、売手と買手で成り立っていますが、売手も買手も同じ人間です
- 起業の原点 それは、自分の生き方を得意業に託すチャレンジです
- 日々を繋いでいけば、3年で10倍の成長はたやすく実現できます
- エピローグ
日々を繋いでいけば、3年で10倍の成長はたやすく実現できます
3年で10倍の成長は日常に潜んでいます
専門書を毎日1時間精読し、修得した知識を「ビジネス」に生かす。
人生のルーチンに毎日1時間取り組み、得意業を日常に生かす。
前者が垂直思考、後者が水平思考の取り組みです。
3年後、どんな結果になっているのか。
これはぼくの仮説ですが…
垂直思考は20~50%程度の成長、
水平思考では10倍前後の成長
この(3年後の)大差は… その先もぐんぐん開いていきます。
3年で10倍の成長は日常の中に潜んでいる。
ぼくはこのことを
人生のルーチンから、
茶の湯から、
リッツカールトン大阪の一泊研修から学びました。
私事で恐縮ですが…
ぼくは、予算統制から始まって、効率、コストダウン、戦略、経営計画、内部業務監査
有限会社C3をつくってからも30年近く「経営戦略コンサルタント」として、一貫して「マネジメント」と「人」と
ともに歩んできました。
並行してビジネス以外に愛してきたものがあります。「茶の湯」です。
サラリーマンのころ、会社にいっぱい勉強させてもらいました。常に実力以上の課題を与えられ四苦八苦の
日々が続きました。
起業してからも20年近く、売上の10%を勉強代に当て学習を続けてきました。
また、「我こそは一流のコンサルタントだ」と名乗る全国から集まったコンサルタントのグループに所属し、
年2~3回の例会でしたが、本音で口角泡を飛ばしながら議論し、さらに酒を飲みなが議論を重ね、気が付くと
周りが明るくなっていたことも、しばしばでした。
彼らとの絆は当時、ぼくの心の支えになっていました。
自信もありました。さまざまな知識を駆使すれば一流になれると思い込んでいました。
全国から講演依頼もあり、超一流になりたいという野心もありました。
もし、茶の湯に入門していなかったら、頭でっかちの垂直思考に固まった「化石人間」になっていたと
思います。
茶の湯は専門書を読むことも必要ですが、もっと大切なことがあります。
それは「お点前」です。
お点前をとおして、千利休から綿々と受け継がれている精神、つまり「茶の湯の精神」を少しは理解することが
できました。
近年ブランクが続いていますので、今、その精神を語る資格を持ち合わせていませんが「心構え」は、
ぼくの心に生き続けています。
それは「人に喜んでもらえることは何でもする」という心構えです。
人とは、茶会に招待した人、
喜んでもらうことは何でもするとは「コスト無視の究極の顧客満足の提供」を意味します。
顧客満足の提供はハードもソフトも含まれていますが、大切なのはソフトだとぼくは考えていました。
その中でも肝心なのは「おもてなしの心」です。
もてなしを一言で表現すると「いつ、いかなる場合も、自分を愛するように人を愛する精神」だと認識して
います。
精神性や感性が求められる世界です。
もてなしは、軽々しく口に出すものではありません。
また、人間関係の専門書をどれだけ読んでも身につくものではありません。
水泳の知識だけでは泳げない。自転車の知識だけでは自転車に乗れない。コトラーのマーケティング論を
何回読んでもトップセールスマンになれない、に酷似しています。
茶の湯のもてなしは、気が遠くなるようなお点前の積み重ねから、身体で感じ取り身につけていくものだと
痛感しました。
機微に敏感になってくると、相手が何を望んでいるか、何を所望しているか、ある程度推し量れるようになる。
このことも、何となく理解できるようになってきました。
ただ「もてなしの精神」を茶の湯の世界だけに留めておくのは、あまりにも忍びない話です。
大切なことは日常に生かすこと。
日常で生かせば、より深く身に付いていきます。
この日常の中で涵養された「もてなしの精神」は本物です。生涯にわたって自分の身体の一部になって輝き続け
ると思います。
これは「水平思考」の取り組みです。
日々専門書を精読し、専門知識を修得しながら梯子を一段一段上がり、社会人として専門知識を蓄えビジネス
に生かす。セミナーなどに積極的に受講してビジネスに生かす。
これは「垂直思考」の取り組みです。
専門書を日々精読しても(修得した専門知識を)活用しなければ忘れていきます。相当のスピードで忘れて
いきます。真偽のほどは分かりませんが、エビングハウスの忘却曲線に詳細が述べられています。
ぼくは何度も苦い経験をしました。
いざというときにビジネスに生かせない。
専門書を見ないと(ビジネスに)生かせない。
原稿を見ないと話せない。
これらは、いずれも学習したことが身に付いていないから、自分の実力になっていないから、生かせない
のです。
インプットとアウトプットの落差に… 何度か意気消沈したことを憶えています。
垂直思考一辺倒の学習では、実力はなかなかつきません。
いつ、いかなるときも、与えられた課題を「自力」で(何も見ないで)クリアすることできる。これが実力です。
垂直思考一辺倒では、いずれ自分の限界を思い知らされることになります。
20年近い前の話で恐縮ですが、2004年リッツカールトン大阪で行われた一泊研修に参加しました。
テーマは「顧客サービス」
その中で、ぼくの心を捉えたのが「いかにすれば人の心を先読みできるか」というサブテーマでした。
こんな話がありました。
「人の心を先読みしたい」と100回唱えても、思いはかなわない
先輩の動きを注視し、指導を受け、マニュアル書を毎日100回読み頭に叩き込み、一生懸命仕事に励んでも、
思いはかなわない。
人の心を先読みすることを常に心がけ、仕事のときだけではなく、1日24時間、自分の暮らしの中に取り入れて
行動していれば思いは簡単にかなう。
つまり、仕事、プライベートに関係なく、いつも先読みすることを意識し、行動していれば思いはたやすく
実現する。と、学びました。
お点前を通して学んだ茶の湯の精神、もてなしの精神を日常に生かす。
人の心を先読みする精神性や感性も、日常から学び、生かす。
人生のルーチンで磨いた得意業を日常に生かす。
これらに共通していることは「日々を繋ぐ」ということです。
日常は繋がっています。日々の繰り返しです。
日常で最も大切なこと、心がけておかなければならないことは、
日々の成果の大きさではなく、
(日々を)繋いでいくことの大切さです。
人間はドラマチックな大きな出来事によって成長するのではなく、
1日の成果は極めて小さくても、
毎日繋いでいけば、
いずれ計り知れない大きな成長を遂げることができるのです。
日々を繋いで修得した実力は、フィールドに関係なく「本物の実力」に育っていくのです。
この紛れもない事実を、
人生のルーチンから、
茶の湯から、
リッツカールトン大阪のわずか2日間の研修から、 理解するに至ったのです。
日常から修得し、日常に定着した「本物の実力」の威力ははかり知れません。
機微に敏感になり、
知性・感性を刺激し、
器を大きくし、
人生を豊かにするだけではなく、
ビジネスにも生かすことができます。いかなるフィールドのビジネスにもに生かすことができます。
それだけではありません。
本物の威力は強力です。
日常で収穫した果実は、次の新しい果実の収穫に繋がり、その新しい果実が次の収穫の礎になり、
さらにその次の収穫に繋がっていきます。
この「成長スパイラル」が、「3年で10倍の成長」にリンクし、成長の土台になります。
★ポイント29 日々を繋ぐ。日々の成果を繋ぐ。日々の小さな成果は繋ぐことによって
「本物の実力」になり、 この本物の実力が成長のスパイラルを生み出し、
3年で10倍の成長にリンクしていきます
人生のルーチンに取り組むわくわく感が、3年で10倍の成長を軌道に乗せてくれます
唐突な話で恐縮ですが…
ぼくは今まで何度も「日記」に魔法をかけられた経験があります。
日記は「魔法の杖」だと思っています。
書くことの威力に翻弄されてきました。
日記は、今日の間違いを正し
失敗して落ち込んでいるぼくに発破をかけ
人間関係のいさかいに反省する機会を与え
無謀な取り組みを讃え、
思わず口にしてしまった嘘をとがめ
どうしてもまとまらなかった考えを一気にまとめ
失念していた、周りの人から受けた心温まる親切や心遣いなどを思い出し
新たな感動を呼び起こし
気分を高め
ぼくの心の平穏を取り戻してくれます。
また、日々を繋ぐことの大切さも教えてくれます。
日記との付き合いも随分長くなりました。
書き始めたのは20代の後半だったと記憶しています。途中で十数年の中断がありましたが、それでも30年を
はるかに超えています。
ぼくにとって切っても切り離せない「相棒」であり「恩人」でもあります。
今まで、これと思う人に日記を勧めてきましたが、このぼくの勧めに乗った人は、声をかけた人の10人に1人ぐらい。
残念ながら他の多くの方は実行されなかったようです。
実行された方からは数週間後に連絡が入ります。お礼の連絡です。
みんな異口同音に日記の楽しさ、素晴らしさ、思いもしなかった成果の数々について熱っぽく語ってくれます。
日記は自分と向き合う楽しい取り組みです。
人生のルーチンもまた、自分と向き合う楽しい取り組みです。
両者のどこが違うのか。
両者の違いは、水平思考を意識して取り組むかどうかの違いです。
ぼくは、水平思考で書いた日記、水平思考を目指して書かれた日記を「人生のルーチン」と認識し、
普通の日記と区別しています。
人生のルーチンは日記より楽しい取り組みです。
書き始めてからしばらくすると
喜怒哀楽との出合いがあります。
日常で気付かなかった、見過ごしていた喜怒哀楽の細部の発見に驚き、
今まで見えていなかったさまざまなものが見えてきます。
日々それに取り組む時間が待ち遠しくなり、
割く時間が増え、
やがて書く楽しさが日常に定着します。
特性との出合いもあります。
出合ったときの衝撃や、夢中になって得意業に育てていくプロセスも記していきます。
その自分に満足しながら、この先に思いがけないことが起こるかも知れないという期待感に襲われ、
もっと成長したいという焦りに似た意欲に駆り立てられます。
日常の流れに変化が現れます。
(日常の)精度が高まりつつあることに気付きます。
精度が高くなればなるほど機微に敏感になっていきます。
その新しい流れに身を任せながら、この機会を逃すまいと懸命に努力している自分に気付きます。
人生が俯瞰できるようになります。
何事も大所高所から、また、遠いところまで見えるようになり、日常の光景が少しずつ変わり始めます。
自分の5年先、10年先の人生も、ビジネスも、徐々にイメージできるようになっていきます。
得意業を軸に、これからの人生を無意識に考え始めます。
経営計画がなくても、ビジネスプランがなくても、得意業を軸にしたビジネスをイメージしている自分に
気付きます。
成長を実感します。
日々成長していく自分に興奮と感動を覚えます。
成長の角度が大きくなり、思い描く未来像が徐々に様変わりしていきます。
その自分の姿にあこがれ、何とか実現したい、しなければならないという強い思いに駆られます。
これらのすべてを人生のルーチンに、毎日書き綴っていきます。
気が付けば、この一連の流れがドラマになっています。自分が主人公のドラマです。
ドラマには、自分の特性を発見し、得意業に育てていくプロセスも綴られ、得意業を軸に未来像に
向かっている自分に気付きます。
時の経過と共に、未来像がさらに鮮明になっていきます。
このようにして、人生のルーチンの日常化が図られ、定着します。
以上の経験は、日々コツコツと地道に書き綴っていれば、誰でもたどり着くことができます。
人生のルーチンは人生そのものの学習ですが、難解な専門書を読む努力に比べると比較にならないほど
楽しくて易しい、その気さえあれば誰でも取り組める学習です。
また、思い描く未来に向かって歩を進める夢のある学習であり、3年で10倍の成長を軌道に乗せてくれる
学習でもあります。
日々の地道な取り組みで3年で10倍の成長が軌道に乗り、走り始めます。
★ポイント30 人生のルーチンは人生そのものの学習であり、思い描く未来に
向かう夢のある学習でもあります。
併せて、3年で10倍の成長を軌道に乗せてくれる学習でもあります
本物の実力は、日常を通して涵養されていきます
人生のルーチンが定着すれば、日常の隅から隅までが見えるようになってきます。
今まで見えていなかった、見過ごしていた(新たな)喜怒哀楽の発見に気を取られ、目先のことに
一喜一憂する時間が少なくなり、前のめりの姿勢が日常から消えていきます。
日常の精度が上がり本物の実力がついてくると
これといった学習をしていなくても、
頑張っているという意識がなくても
相も変わらない日々が続いても、
ドラマチックな出来事が起こらなくても、
日々成長し、心が満たされ、自信のようなものが湧いてきます。
人間力の定義ができなくても、人間力が培われているように思えます。
これらはいずれも、水平思考のなせる業だと思います。
人生のルーチンのなせる業だと思います。
これらのすべての原点は「日常」にあります。
本物の実力は、日常の成果を繋ぐことによって確実に身に付いてきます。
復習です。
人生のルーチンで発見し、磨いた得意業を日常に生かす。
「お点前」を通して学んだ茶の湯の精神、もてなしの精神を日常に生かす。
人の心を先読みする精神性や感性も日常から学び、生かす。
本物の実力は、これらの事例から見ても疑念の余地はありません。
★ポイント31 水平思考で、人生のルーチンで、日常の精度が上がってくると、
これといった学習をしていなくても、頑張っているという意識がなくても、
成長している自分に気付きます
人生のルーチンは、車のアクセルを踏み続ける取り組みです
繋がっている日々を毎日書き続けていると、その成果は、みるみるうちに加速していきます。
それでも毎日書き続けます。
猛スピードになっても書き続け、アクセルを踏み続けます。
人生のルーチンを書き続ける努力は日々わずかでも、加速は加速を呼び、誰にも止められない猛スピードに
なって、3年で10倍の成長を確かなものにしていきます。
日々を繋いでいない人、つまり人生のルーチンに取り組んでいない人との差は瞬く間に開き、取り返しのつかない差に
なっていきます。
★ポイント32 人生のルーチンは車のアクセルを踏み続ける効果があります。
日々コツコツと地道に取り組んでいるだけで、成長は一気に加速し、
猛スピードで3年で10倍の成長を確かなものにしていきます